経済ニュースサークル 過去ログ

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ハイブランドと"贋作の在り方"

贋作と言う言葉には必ず"需要"と言う言葉を伴う。需要がなければ贋作など出現しない。つまりsupply & demandと贋作の登場は深く関係している。

ここで私は2つの題を通してファッション業界における贋作とは何かを思考する。

まず第1に身近で贋作といえば何を想像するだろうか、ファッション業界と贋作は切っても切れない関係であると言うことは間違いない。最近で言うと有名ラグジュアリーブランド「FENDI」が最新コレクションで庶民的ブランド「FILA」の代表的ロゴをオマージュしたようなスタイルが多く出回った。f:id:gakkyrie:20181119213251j:imageこれはオマージュされる側の方が知名度、高級度ともに高いため

贋作とは少し違うががもしもこれが逆だと、安価で高級品の物を着用できるという点で贋作に近い状態になる。この"安くて高級品らしいものが手に入る"と言う点で有名ブランドの贋作(偽物)は市場で数え切れないほど出回っている。ファッションを"芸術"と見ると、この問題も美術史学入門の話題と関係してくる。

このような特に海外有名ラグジュアリーブランドの偽物は自ら海外に買い付けに行かなければ必ず"本物"とは断然出来なくなる。第三者を通すため日本にある海外ブランド輸入店でもそれが100%正規品だと言える店は少ない。古着屋や中古品買取ショップなどは尚更だ。そこで本物かどうかを見極める能力が個々必要となってくる。服も絵画同様雑に模倣されている場合もあれば精巧に本物に近くなるよう設計図すら同じ場合もある。シューズなどその典型的な例だ。これらの大半は産出地が中国な為、本物かどうかを見極めるには"雑さ"に関して注目するのが一般的だ。他にパッケージやブランドタグ、ナイキの有名スニーカーだと定番ロゴスウィッシュの大きさなどでも判断材料となる。

 

こうした見極め方は勉強して会得するのかというとどちらかと言うと"習うより慣れろ"の形式である。故にファッションに精通している人の方が見極める能力は高くなる。これは美術においても経験者の方が作品を形成するにおいて技法、表現の仕方を経験により習得しているので似ていると言えよう。

 

 

次に意図して贋作を作っているケースも存在する。「VETEMENTS」はご存知だろうか。世界的有名デザイナーであり「balenciaga」のデザイナーも担当するデムナヴァザリア氏が作るハイブランドである。VETEMENTSの提供する服は非常に独特の形式であるためファッション愛好家にとって是非とも購入したいブランドであるが、値段も非常に高く、一般人が気軽に手を出すものではないのは一目瞭然だ。そんな中で海外で「vetememes(ミーム)」なるブランドが発足した。商品が全て服に刻まれているVETEMENTSのロゴをVETE"MEMES"に変えただけのコピー商品なのだ。しかしデムナ氏はこのほぼコピーブランドに関して寛容で自らもそのブランドを認めている。そもそもブランド名のvetememesにはmeme(模倣)というワードが入っており、アメリカのサンプリングカルチャーに相応しい認知されている贋作である。このような贋作のあり方もファッション業界には存在する。

 

以上を踏まえてファッションの中の贋作の存在は多大な影響を与えていると言える。